博多で読書会レポート(2026年2月 課題本:『おいしいごはんが食べられますように』)

2026-02-22

2026年2月21日(土)に開催した課題本読書会のレポートです📄
ご参加いただいた皆さん、ありがとうございました(^-^)

また、参加予定でしたが体調不良で参加できなかった方や、実はこの本が気になっていた方もいらっしゃるかと思うので、当時の会の中で出た話題(ネタバレ含む)について書いておきたいと思います。

課題本に選んだ背景


読むきっかけ


私が推している図書館でたまたま見つけたのがきっかけです。
発売は2022年3月で、その後芥川賞を受賞して話題になっていたことは以前から知っていました。

当時はタイミングが合わず読むまでには至りませんでしたが、このゆで卵を割ったような表紙が印象的で覚えていたので、図書館で借りて読むことにしました。

選んだ理由


この本、読む人によって登場人物の好き嫌いや、出来事の捉え方が全然違うんじゃないかと思って選びました。
物語自体は決して長くはなく、読むのが早い人なら1時間ほどで読める分量です。

ただ読み進めていくとどこか引っかかる箇所が多く、読了後の気持ち悪さが残るので、周りの方にも読んでもらって考えが聞きたい(というか助けてほしいに近い笑)と思わせてくれる内容だったというのも理由の1つです。

読書会の中で出た話(※ネタバレ含む)


二谷はどうして芦川さんと付き合ったのか


序盤で二谷は芦川さんにアプローチし、2人は付き合うことになります。
二谷は芦川さんのルックスや弱々しい部分を好いていたようですが、食べ物に対する執着や姿勢について、心の中ではどこか卑下しています。

また同じ会社で働く中で「尊敬するのは難しい」という描写もあり、二谷は芦川さんのことを自分より下に見ていたのではないかという話になりました。

それでも芦川さんと付き合うようになったのは、二谷は芦川さんのことを異性としてではなく、愛玩動物のように可愛いと思っていたのではないか、という意見が出ました。

二谷が芦川さんのことを可愛いと思う場面が何度か描かれていましたが、それは犬を見て可愛いと感じる感情と同じものだったのかも知れません。

押尾さんはどうして二谷の部屋に行ったのか


二谷と芦川さんが付き合っていることを知りながら、押尾さんは二谷の家に遊びに行きたいと誘います。
押尾さんは二谷のことどう思っていたのか。
二谷のことに対して抱いていたのは恋心なのか、好奇心なのか、という議論になりました。

読書会の中では、押尾さんは二谷のことを異性として見ていたのではなく、どちらかというと会社の中での「推し」に近い存在だったんじゃないかという意見が出ました。

芦川さんにとって二谷は「芦川さんにいじわるしましょう」と約束した、会社で唯一心を許せる存在でしたが、異性として魅力を感じていたわけではなかった。押尾さんが最後の一線は越えなかったのは、同じ会社の仲以上の関係になることで、芦川さんをいじめる戦友との絆を強めたかったのかも知れません。

実は一番賢いのは芦川さんなのではないか


会社で頭が痛くなれば早退し、翌日にはお詫びの印に手作りケーキを作ってくる芦川さん。

そんな芦川さんを社内の人たちは特別扱いする訳ですが、実はこれも芦川さんの計算で、自分のキャラ・世界観を作るための巧妙な手口なんじゃないかという意見が出ました。

また、本の中では芦川さんの心理描写が一切ありませんが、実は押尾さんが芦川さんを嫌うのと同じように、芦川さんも押尾さんのことが嫌いなんじゃないかという意見が出ました。芦川さんの心の内が掴みづらいなっているのも、この本を面白くしている1つの要因だと思います。

私も芦川さんになれるならなりたい、と参加者のお1人が言われたのが少し印象的でした。

どうして藤さんは芦川さんの爽健美茶を勝手に飲んだのか


序盤のおぞましいシーンの1つで、この時点で「もう無理」と言われている参加者もおられました。笑

自分が読んだ時はただセクハラおじさんと天然芦川さんと偏屈なやりとりかと軽く流したのですが、実は芦川さんは藤さんと不倫関係にあるのではないかという疑念を持たれた参加者の方がおられました。

言われてみると、ペットボトルのお茶を勝手に飲むシーン、飲み会でのハグ、藤さんの芦川さんを庇うような態度も、2人が実は過去に男女の関係を持っていたのであれば、それらの違和感があったシーンも妙に説得力を帯びてきました。

芦川さんの机にお菓子のゴミを置いたのは誰か


この本の中で一番意見が別れる場面で読書会でも色々な意見が出ましたが、印象的だったのは芦川さんが自作自演しているのではないか、という意見でした。芦川さんが全員にお菓子を配り終えた後、自分の机にもお菓子を置くという描写があることから芦川さんが容疑者になる条件が揃っているという話になり、なるほどと思いました。

自分は二谷が実は嘘をついていて、本当はぐちゃぐちゃに潰していないのを置いたものに谷なんじゃないかなと思っていました。

また手作りのお菓子も、最初は嬉しいがお金が発生する(社員が月に1000円、パートが月に300円)ことになった瞬間嫌な思いをするだろうという方が多数でした。有料になったことで不満因子が募り、その塊がゴミとなったのではないかとも考えました。

どうして最後に押尾さんは吐きそうになるのを堪えたのか


犯人として吊し上げられた押尾さんが「大丈夫でした。吐きもしなかった」というシーンがありました。
ここで押尾さんがグッと堪えることができたのは、芦川さんだったらすぐに泣いたり吐いてしまいそうな所を、芦川さんが嫌い・芦川さんと同じような行動を取りたくないと思っている押尾さんの強さの象徴なのではないかという意見が出ました。

だから誰からも「大丈夫?」と声をかけられる前に、自分から大丈夫と言い放ったのではないかと考えました。

表紙の意味について


白と黄色で描かれている表紙。これはカップラーメンを食べる時にお湯を沸かす二谷の影なんじゃないかという意見が出ました。

また本の裏面や中に描かれているお菓子が2色しか使われていないことに関して。これは食べることにこだわりのない二谷から見た時の食べ物の印象を表しているのではないかという声がありました。色合いについてはそこまで考えていなかったので、違った気づきを得られました。



と、まだまだ話題となった場面はありますが、読書会の中で印象的だったお話を一部取り上げてみました(^-^)

また2ヶ月後くらいに、別の本で課題本読書会を開催します!